本日はJoni Mitchellなど60's、70's初期のsswのバイブスを感じさせるアコースティックシンガーJessica Pratt(ジェシカ・プラット)の紹介。
ほぼアコースティックギターの音色と彼女の歌声だけという音数の少なさは今の時代に逆行している気がしないでもないけど、その分透き通って広がる美しい歌声は聴く人を優しく癒してくれます。
バイオグラフィー
1987年カリフォルニア州出身の彼女は音楽好きの母の元、Tim Buckley(Jeff Buckleyの父親)など幅広い音楽を聴くようになり15歳の頃には姉のストラトギターでバンドT.REXの名盤「Electric Warrior」を全パート弾けるようになったそう。
16歳には母のギターアンプを使用してレコーディングを始めるようになり本格的に音楽のキャリアに進ようになる。
Tim Preley(White Fence)というカリフォルニア出身のサイケデリック/ガレージロックで有名なミュージシャンがいるのですが、彼がFacebookを通じてプラットの楽曲を知り、自身の名前をアルバム名とした「Jessica Pratt」をTimのレーベルBirth Recordsからリリース。
500枚限定のリリース盤は2週間足らずで完売、評論家からも高い評価を得た1stアルバムから2年後の2014年にはレーベルDrag Cityより2ndアルバムをリリース。
1stを超える評価を得た本作はアコースティックなドリームポップで「夢のような晴れやかさ」と評される。
収録楽曲"This Time Around"がピッチフォークのベストニューミュージック賞に選出された2019年のアルバム「Quiet Signs」、今年2024年には待望の ニューアルバム「Here In The Pitch」をCity Slangよりリリース。
さらに洗練されて美しいメロディー、暖かみのあるボーカルは60's のポップソングを彷彿とさせ、実際「ペット・サウンズ」に影響を受けたらしい新作はさらにピッチフォークをはじめ各メディアから高評価を得ている。
ディスコグラフィー
Jessica Pratt (2012)
On Your Own Love Again (2015)
Quiet Signs (2019)
Here In The Pitch (2024)
おすすめ楽曲
Half Twain the Jesse (Jessica Pratt収録)
彼女の楽曲は本当にギターと歌のみのアナログチックな楽曲がほとんど。(のちの作品でパーカッションや他の楽器が入ったりもするけど)
この楽曲なんか特に、フィンガーピッキングと彼女の優しい歌のメロディーを堪能できると思う。冒頭で言った60'sのsswのバイブスというのはこのアルバムが一番強く感じるかもね。
Back, Baby (On Your Own Love Again収録)
これまたクラシックな雰囲気のある名曲。
この楽曲は2014年のPitchforkベストトラック100に選出。
This Time Around (Quiet Signs収録)
多分一番人気曲。
このアルバムは他にも"Here My Love"や"Poly Blue"など良さげな楽曲が多いんですけど、やはりこの曲は抜けていいかな。
シンプルなコード弾きのギターの音色とそれを彩るストリングの音のみの演奏、ほんのりとエコーかかり気味のプラットの歌声がとにかく沁みる。このボーカルスタイルは次作のアルバムにも引き継がれています。
Better Hate (Here In The Pitch 収録)
最新作から。
この曲は(彼女の楽曲の中では)ポップで(彼女の楽曲の中では)音かずも多めで(彼女の楽曲の中では)ノリやすい曲だと思う。
(彼女の楽曲の中では)←しつこくてすみませんね。
Nowhere It was (Here In The Pitch 収録)
同じく最新作より。
今度は暗めで自然の中の夜が合いそうなナンバー。
オルガン(?)の音色やめちゃくちゃエコーのかかっている手拍子が不気味な雰囲気を演出していて映画のサントラに入っていそうな感じ。
結構な熱量で紹介しましたが、実はほんの最近知ったばかりのSSWなんです。
この前ようやく新しくリニューアルした渋谷のタワレコに行った際、イヤホンの充電が少なくなっていたので珍しく店頭の音楽を聴きつつレコード漁っていたのですが、良さげなフォークが聞こえてきたのですかさず何のアルバムか探したら彼女の最新作だったんですね。
その場ではレコード買わなかったのですが、後から聞いてみてハマっちゃいまして。
しかも本記事を書くにあたって彼女のバイオグラフィーを調べてみたらWhite Fenceとか知っているミュージシャンとも関わりがあって。
イヤホンの充電が無くて得した稀な例でした笑