7月に突入して今年も折り返し地点。
あっという間だったような物凄く長かったような。
今年は年始から仕事上でのトラブルや体調の悪化。そして持病の偏頭痛の頻度が増えて会社には脅しをかけられて本当にろくな年じゃなかった。まだ半分ですけど。
後半の6ヶ月は穏やかに過ごしたいけど、気持ち的にもだいぶ落ちてるしどうなることか。
ただ、1月のgirl in redからsting、Arctic Monkeys、My Chemical Romanceなど思い出に残る来日公演に行けて本当にコロナ明けのいつも通りの日常が戻ってきたのだと感じた6ヶ月でもありました。
どんなに体調が悪くても、何もする気が起きなくとも音楽を聞く作業は辞めていませんでしたし、なんなら去年よりも聞いたのかな?
個人的2023年上半期にリリースされたアルバム10枚を紹介します。
何気に去年同時期に行った同企画よりも悩んだ。
是非皆様の洋楽ライフの一助になれば幸いです。
2023年1月〜6月にリリースされた洋楽のアルバムが対象。(洋楽であればジャンル問いません)
順不同です。早速行きます。
- Yves Tumor / Praise A Lord Who Chews But Which Does Not Consume; (Or Simply, Hot Between Worlds)
- The Arcs / Electrophonic Chronic
- Unknown Mortal Orchestra / V
- Inhaler / Cuts & Bruises
- Jessie Ware / That! Feels Good!
- Motorpsycho - Yay!
- Hanakiv / Goodbyes
- boygenius / the record
- The Japanese House / In The End It Always Does
- Depeche Mode / Memento Mori
Yves Tumor / Praise A Lord Who Chews But Which Does Not Consume; (Or Simply, Hot Between Worlds)
アメリカ合衆国マイアミ出身の電子音楽化、プロデューサーであるショーン・ボウイのソロプロジェクト。老舗テクノレーベル、Wrap移籍後では通算3枚目のアルバムの今作。
Wrap移籍したばかりの初期は実験的なエレクトロやR&Bでしたが前作からロックアルバム調(しかもルックスからしてグラムロック)に変貌。今作はその路線を突き詰めた最高傑作です。とはいえジャガジャガと激しくギターが鳴り響いているわけではなく、全ての音がバランスよくて今までのファンも新規のロックリスナーも違和感なく聴けるだろうし単純にメロディーもキャッチーで聴きやすい。
アルバムラスト曲"Ebony Eye"は本当に彼の集大成のような楽曲で個人的に必聴。
音数が多いわけではないですが、音源が非常に作り込まれているためライブの再現がどうなるのか気になるところではありますが今年のフジロックのパフォーマンス非常に楽しみです!
The Arcs / Electrophonic Chronic
The Black Keysのギターボーカル、ダンのサイドプロジェクトThe Arcsの2ndアルバム。
メンバーのリチャード(key,Drum) が18年に亡くなった後、初めてリリースされたアルバムですが、音源化されていなかっただけでリチャード生前の頃からライブで披露されていた曲も含まれているのでアルバムクレジットはリチャードも含めたフルメンバーで記載。アルバムジャケットやPVにも彼がアニメーションで登場していてハートフルな作品。
曲も"Heaven Is A Place"を筆頭に温かみのある曲が多くて歳を重ねても聴けそう。
アルバムのリリースは1月の寒かった時期。仕事では精神的に参っているときにこのアルバムにはお世話になった。
Unknown Mortal Orchestra / V
ニュージーランド出身、現在はアメリカを拠点に活動中のロックバンドUnknown Mortal Orchestraの5枚目のアルバム。
サイケデリックな要素は前作と比べると影を潜めて、今作はチルでローファイな乾いたサウンドが特徴的。
アルバムは1時間と長めですが上記のジャンルにR&B、フォーク他極上のローファイサウンドが楽しめるお洒落な1枚。
Inhaler / Cuts & Bruises
アイルランド発の期待の新星Inhalerの2ndアルバム。
とにかくボーカル、イライジャの親父譲りの美声ね。彼のクールで甘い歌声にとにかく惹かれる。そして曲が(意外と?)ストレートでキャッチー。とにかく聴きやすいのです。
こんなロックアルバムを待っていたと言いたくなるようなめちゃくちゃ完成度の高い作品です。アルバム後半"Dublin in Ecstasy"からラスト曲に至るまでの流れが洗練されていてすごく良き。
"The Things I Do"からラストの"Now You Got Me"のメロディーがキュンとくる。誰かわかる人いないか。
Jessie Ware / That! Feels Good!
どことなく懐かしさも感じるディスコアルバム。
タイトル曲の"That!Feels Good!"やリードシングルの"Free Yourself"を聞いた時はダンス調のR&Bアルバムかな?っと思ったのですが、その後聞きすめていくとかなり踊らせにきてるディスコな曲達に思わずニヤリ。
「懐かしさも」とは書きましたが決して古臭いわけではないです。ですがしっかりとリスペクトを感じさせる内容に流石としか言いようがない。
アルバムの中でもディスコチックな"Shake The Bottle"から現代風のサウンドの"Lightning"の流れが好き。
Motorpsycho - Yay!
1989年にノルウェーで結成されたサイケバンド、Motorpsycho。勉強不足で恐れ入りますが今まで名前も知らず、たまたまIndienativeの新譜情報で知って聞いてみたのですがハードロック、フォーク、インディー、プログレなどサイケデリックロックの要素を存分に盛り込んだ好きな人にはたまらないアルバムで初聴から一気にファンになった。
夏を感じさせる涼しげな曲が多くてこの時期に特におすすめ。
80年代結成なので大御所のキャリアですが調べてみるとコンスタントに毎年のようにアルバム出しているみたいですね。他のアルバムも聴きたい、、!
これは年間ベスト級ですよ!
Hanakiv / Goodbyes
度々紹介しているUKの新興ジャズレーベル、Gondwana Recordsよりエストニア出身のピアニスト、Hnakivのデビューアルバム。
クラシカル、ジャズ、ミニマルミュージック、アンビエントなどを網羅したデビューアルバムとは思えない密度と完成度。
本当にピアノの一音一音の広がりが美しく、心を落ち着かせてくれる。
レーベルメイトのHania Raniとともにこれからの活躍に大きく期待。
9月はHania Rani、マシューハルサル(レーベル創設者)とGondwanaのミュージシャンの新譜が発表されるし楽しみです。
boygenius / the record
ジュリアンベイカー、フィービー・ブリジャーズ、ルーシー・ダッカスと今のUSインディーシーンを代表するSSWが集ったスーパーグループの記念すべき1stアルバム。
結論から言うと、彼女達のソロの曲も聞いてはいましたがこのアルバムが一番自分にとって良かった。
楽曲によってリードボーカルが交代(#2 "$20"はジュリアンがライターでメインボーカル、#4 "True Blue"はダッカスがボーカルなど)したりヴァースによって交代したり、3人の美しいハーモニーが楽しめたりと、この3人でなければなし得ない良さがある。
それぞれの持ち込んだ曲に他のメンバーが味付けを加えて、言いようの無いケミストリーと極上の心地よさを感じてほしい。ちなみに#1,5,6,9は3人共作。
先日のコーチェラフェスのライブは3人統一したスーツの衣装にシックなステージセットで本当にかっこよかったですね。生で見たいです。
上半期1聞いて幸せな気分になるアルバムでした。
The Japanese House / In The End It Always Does
このアルバムのリリースは6/30。
ギリギリ上半期の期間内のリリースでランクインです。とはいえ先行曲がかなり良かったので密かに期待していたアルバムでした。
所属レーベルDIrty Hitの盟友"The 1975"のマティとジョージも参加している本作品は、そんなThe 1975の昨年のアルバム"Being Funny in a Foreign Language"にかなりの影響を感じさせるフォークポップな傑作。
心地の良いメロディーに、The Japanese Houseことアンバーベインの優しい歌声を乗せてハートフルな作品に仕上がっています。
去年The 1975の作品を高く評価した方ならこの作品も絶対に気に入るはず。
"Touching Yourself"って曲はCaroline Polachekの"So Hot
ラストの"One for sorrow, two for Joni Jones"は先行でYoutubeに公開されていたライブの方がフィドルが使用されていて好みだった。
てことでアルバムリリースの日と同時に来日公演が発表されました!素晴らしい新譜を提げてのライブ見にいくしかなさそうです。
Depeche Mode / Memento Mori
2023年上半期個人的ベストアルバム10枚最後はイングランド出身の超ベテランバンドDepeche Modeの6年ぶり15枚目のアルバム。
正直自分の一番大好きで思い入れの強いバンドの新譜、しかも後述のバックグラウンドもあって忖度がないかと問われるとなんともいえない所ではありますが、アルバム自体も良かったです。
昨年5月に長年バンドを支えていたフレッチの突然の訃報。もちろんバンドメンバーとしてもですが、裏でソングライティングの中心人物マーティン(Key,Gt等)、フロントマンのデイヴ(Vocal)を取り継ぐ影の功労者でありメンバーの心の支えだったフレッチ。
そんな盟友を亡くしてデイヴに関してはバンドも潮時かと感じたりもしたそうですが、素晴らしい新譜とともにファンの前に戻ってきました。
方向性はDelta Machine(2013年作品)以降のダークなエレクトロロック路線は継続しているように思いますが、今作はリチャード・バトラー(psychedelic furs)も数曲で参加している影響か、ここ最近の数作に比べてもかなり聴きやすくなっているように思う。楽曲によっては80'後期のアルバムに入っていてもおかしくなさそうなキャッチーさもある。
先行シングル"Ghosts Again"は直近3枚のアルバムでは哀愁漂う美しいメロディーで多分一番聴きやすい曲なのでは。
"People Are Good"、"Never Let Me Go" 、"Speak To Me"など過去の名曲に近いタイトルを付けた意図は、ここに来て今までのキャリアを振り返る意味もあるのでしょうか。
ロッキングオンのインタビューで来年なら日本公演の可能性あるんじゃないかと語っていたそうですが、、
最後の来日公演が自分の生まれる前の事なので期待はしていませんが、もし来日したら何がなんでも全公演見にいく。
以上、個人的2023年上半期のベスト洋楽アルバム10枚でした。
次回の記事で他に紹介したいアルバムや邦楽の良かったアルバム、それから簡単に感想書いていきたいと思います。
ぜひ最後までお付き合いいただけますと幸いです。