本日はフランスはトゥールーズ出身のサイケデリックロックバンド、SLIFTの紹介。
2016年結成で歴は浅いながら、60年代、70年代のガレージロックを彷彿とさせる独特のサウンド、3ピースながら激しくて、おどろおどろしいKEXPのライブパフォーマンスはパンデミックでツアーの行えなかったコロナ禍でもロックファンのハートを奪いました。
Member
Jean Fossat
Re'mi Fossat
Canek Flores
来歴
Fossat兄弟が音楽学校にてドラマー、Canekと出会い、いくつかのグループを得て2016年に3ピースでSlift結成。早くもSub Popと契約を結び、
同年には早速古き良きサイケデリックサウンド炸裂の1st EPも発表。
それから2年後には前回のEPよりさらにエキゾチックなサイケデリックな世界を深めたデビューアルバムをリリース。
2020年の2月には2ndアルバム"Ummon"をリリース。
ヘヴィメタルにも通ずる激しさと重さが加わりつつ、よりガレージ、サイケデリックロックバンドとして洗練された音楽性は音楽雑誌からも好評を得ましたが、皆様もご存知の通りアルバムリリースはコロナパンデミックにがっつり重なりここぞという場面でワールドツアーの決行が出来ず。
そんな中冒頭でも紹介したKEXPのパフォーマンスは彼らの認知を広く知れ渡るきっかけになりました。
2022年にはようやく初の北米ツアー、音楽フェスの出演も行い2024年には待望の3rdアルバム"Ilion"をリリース。
こちらはさらにメタルへ接近しましたが、彼らのサイケデリックの世界観が完成されたかなりの力作に仕上がっていました。
ディスコグラフィー
EP
Space IS the Key (2016)
Alubums
La Plane'te Inexplore'e (2018)
Ummon (2020)
Ilion (2024)
おすすめ楽曲
デビューEPの1曲目を飾るナンバー。
本当に40年前のサイケデリックバンドと言われても信じられるサイケ・ガレージなサウンドがかっこいい。安っぽいけどスモーキーなPVもいいね。
これはSub Popも放って置けない。
1stアルバムから。
彼らはフランスのバンドですが、本作は東欧とかもっと東、東洋の雰囲気もどことなく感じるエスニックな音に泥臭くもかっこいいガレージロックサウンドが重なり合っていておすすめです。最近のバンドだとKing Gizzard and the Lizard Wizardっぽいか。
上で紹介した2020年のKEXPのライブパフォーマンス。
全て"Ummon"からの選曲で特に楽曲の"Ummon"がお気に入り。一番まだキャッチーなのもこの曲だと思う。
でもこのアルバム、KEXPのライブでも披露しているけど中盤の"Altitude Lake"らのようなBlack Sabbathのようなストーナー、ドゥームメタルの音。
"Sonar"からのサイケデリック全開の展開と本当に聞いていて関心させられる構成。
そんな"Ummon"から"Sonar"。
後半の壮大な盛り上がりが好きです。
新譜"Ilion"から、最初の1曲目"Ilion"。
イントロの猛々しいギターリフは頭をぶん殴られたかのような衝撃でした。
11分という長尺で激しい展開はもはやプログレの要素も入っているかもしれない。
とにかく終始かっこいいギターサウンドに1曲目からアルバム"Ilion"の世界に誘われます。
12分にものぼる大曲。
この曲は前半後半で展開が分かれていて、前半は嵐の前の静けさを感じる怪しげなスペースロック的サウンド。
そして本番は6分58秒辺りから、最後まで激しく、そしてずっと繰り返されるギターリフのメロディーとバンドサウンドの轟音。この曲を聞くとき、毎回この辺りで音量を1ランク上げてしまいます。
とにかくこの曲が終わるまでの時間、強いてはこのアルバムが終わる最後までを彼らの創り上げる世界観、音の洗礼を心ゆくまで味わうことができる。
この楽曲の後、アルバム最後を飾る"Enter The Loop"という楽曲があります。
いつも"The Story That Has Never Been Told"の余韻に浸っているうちに終わってしまう曲です笑。
いかがでしたでしょうか。
フランスっぽさはあまり感じませんが独特のエキゾチックな怪しげな雰囲気を持つユニークなバンドSlift。興味を持っていただければ幸いです。
自分がこの記事を書こうと思ったのもとにかく新譜"Ilion"が良すぎたから。
まだ年明けて2ヶ月しかたっていませんが暫定ベストアルバムの1位です。
最近、好みのメタルの新譜がないな〜って思っていた自分に、まさかのダークホース的アルバムでしたね。
作り上げられた世界観、息を呑む演奏、洗脳されていくような楽曲の長さと展開とにかく凄かった。先ほどからKing Gizzard and the Lizard Wizardと比べて申し訳ないですが、彼らのようなヘヴィメタルともまた違うストーナー且つ目まぐるしい展開のメタル+サイケです。
もちろんボーカルもあるにはあるのですが、この新譜"Ilion"に限って言えばあまり前に出てくることはなく、あくまで一つの楽器の一部と化しインストゥルメンタルのように楽しむこともできます。それぞれの楽曲が何かのゲームのBGMに使われてもおかしくなさそうな壮大かつ激しい展開にとにかく繰り返して聴きたくなります。
まず初めは新譜から聞いてみてもいいかも。
3/4 更新
新譜のレコード買っちゃいました!
めちゃくちゃかっこいい